賞与なし&残業代支給しなくてOK!?間違いだらけの「年俸制」基礎理解と導入について

こんにちは!ポケット人事編集部です!

今回は給与制度における年俸制について取り上げてみたいと思います。

 

この年俸制という言葉はよく聞くと思いますし、自社に導入してみたい、もしくは既に自社に導入しているという工務店様もあるかと思います。

 

そこで年俸制の基礎、そして年俸制のポイントを、お話していきます。

 

「年俸制」の基礎理解

年俸制とは、読んで字のごとく、1年間に支払う給与が決まっている制度です。
つまり社員の立場からすると、年収が決まっている制度であると言えます。

 

そのため、社員の年俸を決める際に適切な決め方が求められます。

 

ちなみに月給制との違いをよく聞かれますが、年単位か月単位かどちらで決めるかという以外には、あまり変わりません。

 

しかし、職種や業界によってはメリット・デメリットがはっきりするため、下記を読み進めていただいて、検討の余地があるのであればぜひ導入してみてくださいね。

 

経営幹部や設計職・工事職の場合は比較的年俸制は導入しやすいですが、営業職の場合には「受注しても給与が上がらない」または「受注しなくても給与が保障されている」という状況になりかねませんので、注意する必要があるでしょう。

 

年俸制は残業代を支払わなくてもいいの?

また、年俸制を導入すれば残業代や休日出勤手当を支払う必要がなくなるという誤った認識にも注意が必要です。

 

年俸制では、総額のうちどれぐらいが残業代にあたるのかを明確にしておかなければ、年俸が残業代や休日出勤手当の計算根拠(つまり年俸を12分割したものが基本給)として扱われてしまいます

 

そのあたりは注意して計算しておかなければならないので、ぜひ頭に入れておいてくださいね。

 

気をつけないと、年俸制を導入することで残業代や休日出勤手当を削減できるどころか、逆に大幅に増えてしまいますので、ご注意くださいね。

 

年俸制は年に1回払えば良いの?

なお、年俸制の支払い方は2つのパターンがあります。年に一度支払うわけではないので、注意してください。

 

①年俸を単純に12分割して毎月支払うパターン
ーこちらは非常に分かりやすいですよね。

 

②年俸を14分割や15分割し、そのうち12の分を毎月支払うほか、残りを夏と冬に支払うことで賞与なような形にするパターン
ーこの支払い方をすることで、年俸制でも賞与の様な支払い方をできることが出来ます。

 

ちなみに、「賞与は支払わなくても良いの?」といったご質問も非常によくいただくのですが、上記の通り年俸の中に賞与を含むか、年俸とは別に支払うかという2パターンがありますので、こちらも導入にあたり注意したいところです。

実際に年俸制を導入する際のポイントは?

ここまで見てきましたように、年俸制は言葉で聞くよりも複雑な制度です。

 

上手く導入すれば会社・社員双方にとってメリットがありますが、導入の仕方を誤りますと会社・社員双方にとって悪い結果につながってしまいます。

 

年俸制を導入する際は、安易に導入するのではなく、目的や方向性をしっかりと持った上で導入されることをお勧めします。

では、実際に導入する際には、どこに注意をして制度設計を行っていったらよいのでしょうか?

年俸の設定、心配な点は?

この段階で、多くの工務店様が気にされるポイントとしてあげられるのが、営業担当者の年俸の設定ではないでしょうか?

 

ご心配な点としては
・年俸にしてしまうと給与が保障されているのでダラける社員が出る
・今期の努力が反映できないので、頑張った社員に報いる事が出来ない
などといった点でしょうか。

 

ただ、そこには大きな誤解があります。

 

年俸と聞くと多くの方は1年ごとに決める給与総額という感覚や認識をお持ちだと思いますが、ここでお伝えする制度では単年毎にブツ切りとなった給与総額を設定するということではありません

 

年俸設定の方法について

設定の方法には様々ございますが、今回はその一例を御紹介させて頂きます。

 

【3カ年平均型 年俸制度】

直近3年間の平均の営業成績(粗利実績額)の10%(数値は各工務店様の実態に合わせて設定して頂きます。)を基本年俸として、その12分の1を月額支給する制度

 

この方法の狙い
・直近3年間の平均をとることで、給与の業績連動と安定化を両立させることができる
・継続的に業績に貢献出来る人材に報いる会社である、という面を示す一つの意思表示ができる

 

当期の成績については、業績賞与として、半期ごとに粗利実績額の5%(数値は各工務店様の実態に合わせて設定して頂きます。)を配分します。

 

したがって、今年の努力は、賞与と来期以降3年間の基本年俸に反映されることになります。

プロ野球選手でも1年間だけ素晴らしい成績を上げた選手と、長年にわたり成績を上げ続けている選手を比べれば、後者が世間から一流選手として認められ、相応の年俸を手にします。

 

営業社員も全く同じです。

 

会社としては継続的に業績に貢献してくれる社員に報いる義務があります。

 

単年度毎の設計では会社の業績・社員の生活共に不安定になりますが、継続した制度にすることで、双方にメリットをもたらしてくれます。

 

たいてい失敗に終わります!?

さて、ここまで年俸制度について色々と述べてきましたが…

残念ながら、実際はたいていの場合、新たに導入した制度は、”失敗に終わります!”

 

これだけ説明して、今さらとお思いかとは思いますが、過去に制度導入で失敗をご経験された工務店様も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

 

その理由は大きく分けると以下の項目に分解されます。

 

1.目的・目標の不明確「何の為に制度を導入するのか?」
2.目的・目標と内容の不一致「目的・目標を達成する為の手段として相応しくない」
3.社員への説明不足・理解不足「制度は会社都合のツールではない」
4.準備とタイミングを見極める「機が熟していない状態では効果もでない」
5.人事・給与制度は万能ではない「制度以外の部分へも目を向ける」

 

既に、人事制度を運用している工務店様も、これから導入を検討している工務店様も以上の点に目を向けて、もう一度、制度設計を考えて頂くことで、より自社にとって意味のある実用的な制度を設計する事が出来るでしょう。

 

人事制度・給与制度は上手く導入すれば会社・社員双方にとってメリットがありますが、導入の仕方を誤りますと会社・社員双方にとって悪い結果につながってしまいます。

 

導入の際には他社のマネ事や、既製品として世の中に出回っている制度ではなく、自社の目的や方向性をしっかりと持った上で自社オリジナルの制度の設計・導入されることをお勧めします。

なぜ長時間労働をするの? 根本的な原因と解決方法

こんにちは!ポケット人事編集部です。

 

「労災事故」や「未払い残業代」の問題が益々増加していく昨今ですが、今回はその根本原因となる長時間労働について考えていこうと思います。

長時間労働が発生する原因

私が各社様の内情を見ていく中で、「残業に関する考え方」が社内で2派に分かれている会社が多いことに気が付きました。

 

2派とは、「(残業派)残業=美徳」・「(定時派)残業=罪悪」です。

※これは、社風とも関連付けられる部分であり重要な要素です。

 

【残業派の定時派に対する意見】:定時に帰るなんて、真面目に仕事をしていない
【定時派の残業派に対する意見】:無駄な時間・作業が多いから残業になる(能率が悪い)

 

では、なぜ日本(特に中小企業)では長時間労働が一般化しているのでしょうか?

 

1.受注が好調で、やるべき仕事が多すぎる
2.そもそも人員が足りない
3.何となく帰りにくい雰囲気がある

 

こんな状況が皆さんの会社の社内でも起こっていないでしょうか?

 

創業期や人数の少ないうちは問題がなくても、人数が増え意見の多様化によりこんな問題も起こります。

 

問題となるのは3のケースです。もちろん、1と2のケースも多くの問題を抱えていますので、対策は必要ですが、今回はひとまず置いておきます。

 

この「何となく帰りにくい雰囲気」というものが無駄な残業時間を発生させる原因となる場合が多いです。

 

「残業時間を削減したい」と表面上言っていても、実態は「長時間労働・休日出勤」をしている社員を評価し、その逆の働き方をしている人に対する扱いが悪くなるような風潮があると、結果的に無駄な残業を助長させることになります。

長時間労働管理と未払い残業

企業運営をしていく上で、残業時間の削減は労務管理上、非常に重要なテーマとなります。

 

上記のように、企業側は残業を減らしたい(残業代を削減したい)と考えている反面、ハードワークを強いる雰囲気を作っているような場合は、本当に必要な残業以外の「時間つぶし残業」「アピール残業」には、細心の注意が必要です。

 

仮に現時点で残業代を支払っていなかったとしても、未払い残業として請求された場合には、過去2年間に遡り、全社員に対して支払いの責任が生じます

 

もちろん時間つぶし残業についても支払いを求められるケースもでてくるでしょう。

 

長時間労働は未払い残業の増加につながり、さらには、残業代支払いによる企業倒産にもつながりかねない重大な問題です。

成果が出るまで働け。という精神論では、法が許してくれません。

 

企業のリスクヘッジの観点からも残業時間の削減には早急に取り掛かりましょう。

※残業代は、基本的に毎月、残業時間1分単位での精算が法律で義務付けられています。

残業時間のすくない社風づくり

では、残業時間の少ない社風をどのようにつくっていったら良いのでしょうか?

 

その為には、会社として「残業できない・させない」という強い意思とメッセージの発信が必要です

例えば

 

・定時以降の仕事については、上司への残業申請書を義務付ける
・ノー残業デーを設定する
・20時以降は強制的に消灯する

ここまでしたら、仕事が回らない。とお思いになる方も多いかと思いますが、終わりの時間が決まることで、今までよりも時間に対する意識が高まり、生産性の向上につながるはずです。

 

上記の「残業させない為のルール」は一例に過ぎませんので、実際の運用の際は自社の状況(受注量や払える残業代)を考慮した設定を行い、随時見直しを行い時間の短縮につなげていってください。

 

余談ですが、日本は先進諸国の中でも労働時間が長い国として有名ですが、その原因は残業です。

始業時刻や休憩時間、終業時刻は、諸外国と比較しても大差はありません。

 

また、あまり話題には上がりませんが、勤勉と言われる日本人ですが、自宅での仕事時間や休日の自宅での仕事時間は先進国の中で下位に位置するという事実もあります。

(日本:自宅での業務5.6分、休日の自宅業務18.1分・アメリカ:自宅での業務31.5分、休日の自宅業務58.2分)

 

諸外国では、ライフスタイルを尊重し、自宅で出来る仕事については家族との団欒の合間などにバランスを取りながら行っていることが伺えます。

 

※業務命令や業務上必要と考えられる仕事は、自宅での仕事でも労働に対する費用が発生するため企業側としては持ち帰りの仕事についても管理は必要です。

長時間労働対策~実運用や取り組み

長時間労働を減らすために、一歩進んだ実運用や取り組みとして「朝方勤務」や「インターバル勤務」などがあります。

 

「朝方勤務」は、通勤ラッシュの時間をさけることによる心身への負担軽減と労働生産性の向上、夜は家族との時間をしっかりと確保する。というワークライフバランスを実現する取り組みとして、大手商社が導入したことでも話題になりました。

 

「インターバル勤務」は日本ではまだあまり聞き慣れないかもしれませんが、ヨーロッパ発祥の働き方として、注目され始めている働き方です。

 

インターバル勤務はその名の通り、インターバルを設けて勤務する。という制度です。

会社によって基準は異なりますが、「退社から翌日の出勤までは10時間以上空けること等」とルール化することで、社員の健康面に配慮した働き方や労務管理が実現できます。

 

ただし、これらの制度やルールも覚悟をもって毅然とした態度で導入しないと、「朝方勤務」はただ単に出社時間が早くなり、当初の思惑とは逆に労働時間がより長くなってしまう。なんてことは良くある話です。

 

「インターバル勤務」も「忙しい時期だからしかたない」「〇〇さんは良いよ」「自分で気を付けて働いてね」と例外事項を認めていると結局何も変わりません。

長時間労働対策を会社の財産に

人事労務に関するコンサルティングやセミナー活動をしていると長時間労働対策について、「どんな制度を導入したらよいか?」という質問を経営者の皆さんから受けますが、上記のように内容はもちろんですが、経営TOPの断固とした取り組み姿勢が何よりも重要です。

 

そして、働き方改革や取り組み過程もせっかくなら会社の財産にしてみてはいかがでしょうか?

 

また、「安全衛生優良企業公表制度」や「ユースエール認定企業」というものをご存知でしょうか?

 

社会的な問題になっている、労働時間管理やワークライフバランスなども考慮し、より良い職場づくりに取り組み、成果を上げている会社を公的に認めていく制度です。

 

「安全衛生優良企業公表制度」は、労働安全衛生に関して積極的な取組を行っている企業を認定・企業名を公表し、社会的な認知を高めることができ、優秀な人材の確保。国や県、金融機関からの支援においても有利に働くことがあります。

 

「ユースエール認定企業」は、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を若者雇用促進法に基づき認定する制度です。

 

こちらはハローワークなどで重点的にPRを実施してくれるほか、就職面接会などへの参加も優先的に席が確保されます。

 

特にこれから厳しさを増す新卒採用市場において有効に働くと考えられる認証です。

 

今回ご紹介した2つの制度もご興味あれば、是非自社で取り組んでみてください。

 

その過程の中に各社オリジナルの人事制度や労務管理が生まれてくるはずです!

人事制度運用における管理とコミュニケーションの重要性

こんにちは!ポケット人事編集部です。

 

今回は人事制度運用において重要な管理とコミュニケーションについてお伝えしていきます。

 

人事管理においては、個人との個別管理・対応が必要な場面と、組織として管理・対応すべき場面があります。

 

今回は、特に重要となる組織としての管理・対応について考えていきたいと思います。

人事制度の運用うまくいっていますか?

人事制度とは、最大の経営資源である「人材」をより“効率的かつ1つの有機体”として成果を上げるためのシクミです。

 

採用(新卒・中途)から始まり、教育、評価と続きますが、なかなか一連の流れとして人事をまとめることが出来ている工務店様が少ないのが実態です。

人事制度を野球にたとえて考えると、、

野球で例えるなら、試合前のミーティングで戦略・戦術は決めているが、グランドでは全て各々の判断に任せ、指揮をとる人間がいない状態と同じです。

 

守備位置もショートは引っ張ると読みサード側に詰め、セカンドは流すと読んでファースト側に詰める。

と言った具合に、個々はそれぞれ考え全力でプレーしていますが、チームとしては結果を出すための最善の行動はできていません。

 

そして、ベンチに返ってくるとその時の行動を叱責される。

どこかで見た光景ですよね。

気がついているのに、グランドにいるメンバーがその場で修正せず、ベンチに戻ってから言っても後の祭りです。

 

これが仕事だったら事故やクレームにつながるかもしれません。

全員がプレイングマネージャー

これは人事でも同じことが言えます。

 

採用を一つとってもその方法や手法に気づいた点があったならその時に言わないと意味がありません。

 

採用してから「だからもっと◯◯しておけば・・・」といった具合にプレーが終わってからでは手遅れです。

 

日常業務の中でも、見て見ぬふりをして、半年に一度の面談の際に一気にダメ出し。

 

これでは、人を育て、強い会社としていくことは出来ません。

 

かと言って、代表者が常に現場に張り付いてチェックも現実的ではありません。

 

理想は後輩を持った社員全員がプレイングマネージャーという認識を持って仕事に取り組み、監督的視点で選手(後輩)を指導していくことです。

 

この一連の流れを会社のルールとして作っていくことが人事制度の構築でもあります。

誤解していませんか?「固定残業代」を導入する本当の理由

こんにちは!ポケット人事編集部です。

先日セミナーにご参加いただいた社長様からこんなお電話をいただきました。

 

「当社も労務対策にすぐに取りかからないといけないと痛感しました…」
「ただ…固定残業代をつけるメリットがいまいち分からないので、詳しく教えてもらえますか?」

 

この質問に、皆さん答えることが出来るでしょうか?

 

最近では固定残業代(みなし残業)を導入している企業様も増えてきましたが、本当の意味で「固定残業代」と「労務対策」をリンクさせて理解している方は意外と少ないのではないでしょうか?

 

今回はなぜ「固定残業代」を導入する必要があるのか?

その本当の理由を労務管理の視点から改めてお伝えしていきます。

 

固定業代で正しくリスクヘッジ!「1分」と「45時間」

固定残業代を考える上でポイントなる2つの時間「1分」「45時間」

これを見てピンっと来た方は、この先を読まなくても十分理解されていると思います。

 

まず問題となるのが「1分」。

法律では「1分」単位で残業代を払いなさい。と規定しています。では、皆さんの会社では「1分」単位で管理し、支払うことが出来ますか?

 

「タイムカードで管理している」とお答えになる方も多いと思います。

 

では、残業時間中のタバコ休憩や付き合い残業まで「1分」単位で払いますか? ちょっとした雑談の時間はどうなるでしょうか?

 

これでは、効率的に仕事をした人がバカを見る給与体系になってしまいますよね。

 

そこで、固定残業代を設定し、この問題を解消しようとする訳です。

 

残業代でよくつきまとうジレンマが「仕事が早く終わって帰れる方が良いはずなのに、仕事が遅かったりだらだらやったりしている社員の方が遅くまで残っているから残業代がついて、結果的に給与が高い」というパターンです。

かなり多くのお客様から相談をお受けするパターンとなります。

 

こんなことがあれば、社内の雰囲気はどんどん悪くなる一方ですよね。

ちゃんと仕事していた方まで、無理やり残業をしようとするかもしれません。

 

固定残業代は最初から社員へ等しくついてくるものなので、こういったジレンマを防ぎます。

つまり、「雑談や休憩の時間が多いのは結構だけど、そのぶん帰るのは遅くなるし、それはスタッフの自由ですよ」というスタンスを取れるわけですね。

 

ここで次の問題が「45時間」です。

皆さんも固定残業は月間で「45時間」以内という表記を見たことがあるかもしれません。

 

では、全ての社員さんの月間残業時間は「45時間」以内でしょうか?

この質問には、「NO」と答える方が多いと思います。

 

固定残業代を設定していたとしても、設定時間を実際の残業時間が超えればその差額分を支払う義務が発生します。

そういった意味では、法的に見れば、会社にとって本来であれば固定残業代はメリットのある制度とはいえません。

 

※一般的に、固定残業代を支給する本当の狙いは、現在の基本給の中から残業代を捻出したい(給与の内訳変更)という考えで行ないますので、総額人件費としては、実態として削減することも可能ですが…。

 

話を戻すと、固定残業は月45時間分以内。これで御社のリスクヘッジはできますか?

この時間の設定が労務リスクヘッジの肝です!

 

私たちが賃金設計をするときに固定残業代は必ず法的に見ると “払い過ぎ” と言われる状態にします。

なぜだおわかりになるでしょうか?

 

世間では「未払残業代」の問題がこれだけ話題になる時代です。

残業代を未払いにしない為の仕組み(払い過ぎ)を作っておかないと、いつか本当に残業代倒産に追い込まれます。

実際にそんな会社は国内にも沢山あるのです。

 

払い過ぎの固定残業代があることで「1分」の積み重ねをきっちり管理しきれなかったとしても、これが企業を守る保険になります。

 

改めて、自社の賃金設計を見つめ直し、リスクが無いかどうかチェックしてみてください。

 

誤解のないように!「払うな」ということではありません

最後に、誤解のないように補足しておきますが「固定残業代」を使って賃金の“改悪”を薦めているわけではありません。頑張った人には、それに応じた報酬がもちろん必要です

 

でも、それは企業が安全経営をし、永続的な経営ができる仕組みがあることが前提となります。労務トラブルが起きたら、頑張っている人も、そうでない人も関係なく、雇用を維持できる保証もないのですから。

また、正しくしっかりと働いている方が、嫌な思いをせずに活躍してくれるーーそういった意味でも、残業や賃金体系はとても重要です。

 

私たちは残業について「払ってくださいね」「なるべく払わないように」といいたいわけではなく、社員を思いやったうえで、どういう賃金体系が良いのかをしっかりと考える必要があると考えています。

 

※今回は、固定残業代の認定要件や、社員への説明・同意、不満解消方法、長時間労働による労災事故リスク対策など、導入における細部までは触れられませんでしたが、まずは、固定残業代についての、労務管理視点での理解を深めていただければ幸いです。

 

細かく触れていない部分もあり、分かりにくい表現も合ったかと思いますので、ご不明な点はまたお問い合わせにてお気軽にご質問頂ければと思います。

「知らなかった」では済まされない?労務管理の重要性が増しています

こんにちは! ポケット人事編集部です。

今回は、忙しく人不足な工務店業界ではどうしても蔓延しがちな長時間労働のお話をさせていただきます。

 

長時間労働でうつ病に…労災認定で2,300万の損害賠償

いきなりとんでもないお話で申し訳ございません。

少し前になってしまいましたが、「餃子の王将」を展開する「王将フードサービス」の休職中の27歳の男性が、長時間労働でうつ病になったとして同社に休業損害や慰謝料など約2300万円の損害賠償を求める訴えを起こしたというニュースは覚えていますでしょうか。

 

訴状によると、男性は2010年1月以降、正社員として京都府内の店舗で調理などを担当。

うつ病発症の直前6カ月の時間外労働は、1ヶ月あたり平均約135時間だったそうです。

更に、1日10時間を超えた分の労働時間は賃金に反映されない仕組みの為、サービス残業が常態化していました。

 

男性は体調を崩し11年4月以降は欠勤。京都南労働基準監督署は昨年、長時間労働などと、うつ病発症との因果関係を認め、労災認定しました。

男性は「自分と同じ働き方をしている人は他にいる。会社に職場環境の改善をしてもらいたい」と訴えています。

 

最近でも、誰もが知っているような大手企業が長時間労働問題でニュースに上がることがたびたびあります。

現在は働き方改革のあおりも受け、長時間労働に関して世間の風当たりが強くなりつつあるのはたしかなのかもしれません。

一昔前は当たり前のようにはびこっていたものが、現在では手のひらを返したように問題になることを、会社として知っておかなければなりません。

 

労災認定基準を知っていますか?

 

ところで、今回のケースでは時間外労働が6ヶ月間に渡り、1ヶ月平均135時間だったそうですが、そもそも135時間というものがどれくらいかというと、1日あたりに換算すると5.5時間の残業となります。
これは月24日勤務の場合、9:00から始業し休憩を1時間とったとして、23:30まで働いていたことになります。

 

ちなみに、このケースでは135時間で労災認定を受けましたが、判例上は、2ヶ月~6ヶ月に渡り平均80時間超の残業が発生していた場合にも、労災と判断されることになります。

 

80時間を1日あたりに換算すると3.5時間の残業となります。

これは月24日勤務の場合、9:00から始業し、休憩を1時間とった場合、21:30まで働くと、この時点で労災認定の基準に達してしてしまいます。

 

どうでしょうか?

意外と少ない少ない時間だと思いませんでしたか?

 

 

労働時間の管理は徹底的に ~御社は大丈夫ですか?~

自社は大丈夫。と思っていても、多くの工務店様でも長時間労働や休日出勤などが恒常化していませんか?

 

社員が勝手に残って仕事しているだけ。勝手に休日も働いているだけ。

と会社が言ったとしても、社員が働いていたという事実は変わりません。仕事がお客様の為に必要なものだったとしても、残業がやむをえなかったとしても、なにかあってからでは遅いのです。

 

もちろん長時間労働の具体的な対策としては、ワークシェア・生産性の向上・スタッフ増員などありますが、どれも現状の業務体制や管理体制から難しいと感じられる方も多いのではないかと思います。また、対策うんぬんの前に、まずは「現在の社員がどれくらい働いているのか」感覚ではなく、データで知ることもとても大切です。

 

まずは、手軽に導入できる下記2つの労務管理からはじめてみてはいかがでしょうか?

 

(1)タイムカードの導入

出社時と退勤時にカードへ記入するというアナログなものから、専用の機械に登録するといったものまで、多くの方法があります。

 

導入コストもかかりますので、予算と相談しつつ、無理のない範囲ではじめてみてもらえたら、なんとなくで理解していた具体的な労働時間や、社員の業務の偏りなどが明確になるでしょう。なかには、「この人が意外と残業しているのはなぜだろう」といった思わぬ発見もあるかもしれません。

 

(2)残業申請書の導入

特定の時間を超えて残る場合に、直属の上司や特定の部署に申請を書いてもらうものとなっております。

かくいう当社シンミドウも、定時18時・限界退社時間20時というルールがあり、20時以降に残業をする場合には上司の許可が必要となります。

 

申請者も確認者もそれぞれ業務内容を確認し、必要な時間を見積もる習慣を持つことで、少しずつ業務効率の改善も期待出来ます。

 

 

対策をするなら、まずは知ることからはじめてみるのが一番です!ぜひぜひお試しください!

 

 

 

最低賃金・労働時間の理解は大丈夫? 経営で知っておきたい時間管理に潜むリスクとは

こんにちは!ポケット人事編集部です。

さて、突然ですが都道府県別のランキングをご覧ください。

 

【Aランク】

千葉、東京、神奈川、愛知、大阪

【Bランク】

茨城、栃木、埼玉、富山、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島

【Cランク】

北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、山梨、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、香川、福岡

【Dランク】

青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

 

なんのランキングかピン!ときた方はいらしゃいますか?

「何でうちの県がCランクなんだよ・・・」とか「うちの県もあと一歩でAランクだ!」と感じられている方もいらっしゃるかもしれませんが、、

こA~Dまでのランクが何を表しているのかという答えは…最低賃金の改定幅です。

 

意外とリスク?最低賃金のお話

 

数十円でもまとまると人件費にインパクトか?

上記のデータは毎年、厚生労働省が発表する地域別最低賃金額改定の目安についての平成28年度版の内容です。

「最低賃金の改定幅」については例年その注目が集まっていますが、このとき平成28年度の改訂目安はAランク25円、Bランク24円、Cランク22円、Dランク21円となります。

個人的には今年も大きく上げるな。という印象ですが、皆さんはいかがでしょうか?

 

具体的な例でみてみますと、たとえば東京の場合、前年度の最低賃金は932円ですが、東京の場合平成28年度からはこれにAランクの25円が上乗せされて957円が最低賃金となりました。

 

パートさんの給与に換算すると、1日8時間、週4日勤務だった場合の差は下記のようになります。

 

旧:932円×8時間×4日×4週間=119,296円
新:957円×8時間×4日×4週間=122,496円

 

その差は3,200円となります。これが1年だと38,400円。更に、パートさんが10人いたら384,000円!

こうしてみると少々人件費にインパクトを与えてきますよね。

 

本当に注意しなければならないのはパートさんの賃金ではない

 

この例だけを見たら、「うちはパートさんに最低賃金より払っているから関係ない」と思われるかもしれませんが、注意をしないといけないのは実はパートさん(時給労働者)よりも正社員(月給労働者)の方なのです。

 

意外と正社員の方の時給単価に対する認識が無い方も多いと思いますので、ここで、賃金にまつわる経営リスクについてお話していきます。

 

正社員給与と最低賃金の意外な落とし穴

 

まずは正社員の方たちの賃金を時給換算してみてください。

実は、「時給換算をしたら最低賃金を割っていた。。」なんてことは笑い話ではなく現実に起こっている話なんです。

 

 

皆さんの会社では社員さんに支給している基本給や役職手当などは、月間何時間分の労働の対価として支払っているかご存知でしょうか?

 

支払っている賃金は「月間何時間分の労働対価」なのか?

この時間数を頭に入れていることはとても重要なことになります。

 

この時間数を頭に入れずに給与を支払っていると、ある時突然「残業代未払いです」と言われるかもしれません。

 

これはどうゆうことでしょうか?

時間数を把握していないだけでそんな問題が起こるのでしょうか?

 

最低賃金は大丈夫なのか? 具体的な数字で理解しよう

 

では具体的な数字を挙げてご説明したいと思います。
これは、労働基準法で定められている「所定労働時間」というものに関係しています。

 

例えば、8時間労働制を導入されている工務店様では下記が所定労働時間の下限となります。

年間の休日日数の下限が105
労働時間にして年間2088時間
月間174時間、週39時間57

 

この条件の工務店様であれば仮に月給30万円という社員さんがいれば、この方は174時間の労働対価が30万円ということになっています。

でも中には、制度設計により月間163時間の工務店様もあるかもしれません。この場合には当然、163時間の労働対価が30万円。ということになります。

 

1月あたり11時間の差がある2社の場合、仮に同じように1月あたり174時間働いた場合、後者では年間132時間の残業をしていたという捉え方をされます。

 

この場合の時給単価は1840円(30万円÷163時間)となり、未払い残業代の総額は303,600円(1840円×1.25×132時間)となります。

 

1人だけならいいですが、当然、社員数分だけ未払い残業代を請求されると思うとゾッとしますよね。

更に賃金の時効は…ちなみに…2年間ですので、なにかあれば遡って請求をされることになるんです、会社としては痛い話ですよね…。

まとめ:御社の時間管理は大丈夫?

 

このコラムをお読みになっている方の中には、「うちは残業代の分は「みなし残業手当」「営業手当」「管理職手当」を支給しているから大丈夫」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、その手当は何時間分の対価として支給しているものでしょうか?

 

実は、上記のような手当を残業代相当として支給している場合にも時間の根拠が必要になります。

 

月給20万の新入社員、月給30万円の中堅社員、月給50万円の管理職の方が同じ営業だからということで、給与額は違うのに、営業手当だけは一律。

というのは当然筋が通らない話ですよね。

 

基本給・みなし残業手当などもその制度設計の前提は、世の中で今問題となっている時間管理です。

 

皆さんの会社での時間管理リスクへの対応状況はいかがでしょうか?

早く始めないことにはリスクが高まる一方の時間管理です。もし、まだ取り組めていない工務店様は出来る限り早く取り掛かることをお勧めします!

労務はいろんなトラブルに繋がってくるケースが多いので、見直してみてくださいね。