労務・人事制度

評価は相対評価ではなく絶対評価…は実現可能なのか?評価で大切なたった1つのこと

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2019.11.13

こんにちは!ポケット人事事編集部です!

今回は人事評価制度と給与設定に関する内容をお話ししていきます。

 

人事評価は絶対評価?相対評価?

 

給与を決定する一つの基準として、人事評価制度を導入されている工務店様も増えてきていますが、この評価の際にどのような基準で評価されているでしょうか?

 

近年では、評価は相対評価ではなく絶対評価にしなければいけない。という内容が主流になっていますね。

 

以前は、学校の通知表も相対評価でしたが、今では○点以上はA、○点から○点はBなどのように、基準を満たせば全員がA評価になってもよいというのが絶対評価になっています。

 

絶対評価は評価基準が明確に示すことができ、社員の納得感を得ることや、モチベーション管理、達成度評価、能力評価という意味では一定の意味を持ちます。

 

では、実際に評価制度を導入した際に、工務店様で絶対評価を行うことは可能でしょうか?

 

私の見解としては、非常に難しいと考えています。

 

工務店の人事評価には相対評価が向いている

その理由は、給与原資には限りがあるからです。

 

絶対評価を行うという事は、基準を満たした人には、それ相応の報い(金銭の場合が多い)をしなければいけません。

 

評価はしたけど、それが何にも反映されなけれは社員の不満が高まり、評価を行うことが逆に社員のモチベーションを下げる結果につながりかねません。

 

その為、評価に伴い、評価基準に見合った昇給を強いられることとなります。

 

仮に、社員50人の工務店様で全社員が昇給基準をクリアし、一人平均で月額1万円の昇給となった場合、賞与も含めると年間で1,000万円近い人件費の増額となります。

 

バブル期のように、右肩上がりで、どんどん昇給させても企業も増収増益だから大丈夫!
という時代であれば、この方法で問題ありません。しかし、そうはいかないのが現実です。

 

そこで、私は工務店様の現代における経営では相対評価をお勧めします。

 

相対評価の一番のメリットは業績に応じ、企業側で自由に昇給予算を設定できるところにあります

 

この方法であれば、業績が良かった年には良かったなりの昇給予算を悪かった年には悪かったなりの予算を設定できます。

 

大切なのは納得の評価制度+フィードバック

 

ここまで、お話しすると結局はえんぴつ舐めの評価(社長や評価者の感覚に基づく評価のことですね)と変わらないじゃないか。

とお感じになる方もいらっしゃるかもしれません。実際その通りなのです。

 

・元気があっていい
・いつも遅くまで残って働いていた
・後輩の面倒をよくみていた
・何となく仕事が頼みやすい
・報連相がしっかりしているので、任せておいても安心

 

こんな方はなんとなく評価してしまいたくなりますよね。

人が人を評価する以上、完璧なものは存在しません。

 

極論ですが、中小企業における人事評価制度とは、相対評価(えんぴつ舐め)をルールに乗せて、社員の満足ではなく、納得感を高める為の資料集め、資料作りの作業です。

 

それでは、社員が報われない…会社の搾取だ…などと言う方もいるかもしれませんが、私は、会社が社員に報いる最善の方法は事業の継続だと考えています

 

絶対評価で一時的な昇給増や満足感を与えるよりも、相対評価により会社に無理なく着実に成長できる給与制度のスタイルが企業の長期的な繁栄、敷いては社員の幸せにつながると考えています。

 

また、本当に時間を割かなくてはいけない部分は、フィードバック制度の確立です。

重要なのは評価結果をどのように本人に伝えるか、なんです。

 

数百人、数千人規模の会社であれば評価にも「合理性」・「能率性」の原理・原則を取り入れて時間を短縮して実施することも必要です。

 

しかし、100名以下の中小企業様においては、「納得性」・「合意性」の原理・原則を守り、社員の皆さんに対して一人ひとり、しっかりと個別の面談・フィードバックの機会を設けることが重要です

 

また、面談・フィードバックを受けて実際に社員の皆さんがどのように感じたかについてのアンケートを実施することもお勧めしています!

 

面談の時間だけでは伝えられなかったことや評価者や会社に対する不満や改善提案など様々な意見を救い上げることができる効果的なツールとして是非ご活用下さい。

 

相対評価での昇給額設定方法

工務店様の現代における経営では相対評価をお勧めしていますが、その手法を表を交えて1つご紹介いたします。人事評価制度と昇給額について更に掘り下げた内容をお話ししていきます。

上の表は、評価を行った際に部門(職種)毎にランク分けをするための資料です。

 

この表を使う際の肝となるのが、ランク別人数の設定です。方法はいたって簡単です。

 

例えば、今期の営業は棟数も予想を上回るペースで取れたので、SやAランクの人数を多くして、Dランクは0人にしよう。

 

逆に工務は発注ミスやクレームが相次いでいたので、Sランクは0人としよう。というように、業務の実態や業績を反映させて人数を決めるという方法です。

 

そして最後に、決められた人数の枠に評価順に振り分けしていきます。

 

ここまでは、いわゆる相対評価。順位づけですが、ここから給与に反映させるポイントをお伝えします。

ここでのポイントは昇給原資を守る。という点にあります。

 

例えば、今期は会社として10万円(月額)の昇給原資が用意できるとします。
この原資を適正配分する仕組みとして、ポイントと人数の振り分けが重要になります。

 

一般のSランクは50ポイント、係長のDランクは50ポイントというように役職別・評価ランクべつにポイントが決まります。

 

全社員のポイントを合計したものが今回の全社ポイントとなります。

 

仮に社員数15名の工務店様で全社ポイントが770ポイントだとした場合、昇給原資10万円ですので、1ポイント単価は130円となります。

 

あとは、この1ポイント単価130円を再度、ランク別のポイントに乗じて昇給金額が決定します。一般のSランクであれば、(130円×50ポイント=6500円)となります。
この手法であれば、昇給原資をオーバーする可能性は皆無です。

 

実際の運用の際には、部門別・年齢別・役職別にポイントの比重をズラすことで、現実的かつ理想的な予算管理が可能となります。

 

評価と給与の関係をしっかりと把握しコントロールすること

何となく、えんぴつ舐めで決められていた給与額もこのシステムに落とし込むことで、一定の基準を持って運用することが可能となります。

 

制度改定をご検討の際には是非参考にしてみてください!