労務・人事制度

評価は“ヒト”ではなく“仕事”を評価する!判断軸は〈経営理念 経営ビジョン 経営戦略〉で強い組織づくりへ!

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2019.11.13

こんにちは!ポケット人事編集部です。

 

今回は給与制度を運用していく上でキーポイントになる人事考課(評価制度)についてお話をさせて頂こうと考えております。

 

人事考課(評価制度)と聞くとどんな印象をお持ちでしょうか?

もしかしたら堅苦しく、小難しい印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 

人事考課とはどんなものかを簡単に説明すると、スタッフの評価の仕組みと評価の方法をルール化するということだからです。

 

仕組みという意味では少々複雑に思えるかもしれませんが、ルールの作り方やプロセスがわかればしっかりと導入することが出来ます。実際にはそんなに難しく考える必要はありません。

人事評価は“ヒト”ではなく“仕事”を正しく評価する

本題に入る前に、人事評価の本質についてまずはお話させていただかなければなりません。

 

人事制度を導入している、いないに関わらず、従業員を雇っている以上は日常的に個々の社員さんの評価というものを行っていると思います。

(これは、意識的に行っている場合もあれば、無意識的に行っている場合もあります。)

 

しかし、人事制度の中で人事評価(評価のシクミ)を行いましょう。となった時に、多くの企業様で出てくるセリフとしていくつか共通するものがあります。

 

・会社には評価できるような人材がいない
・会社では社員を評価するのはまだ早い
・評価を行うべき管理者がそもそも器じゃない

 

このような内容を見て自社でも同じだな。と感じられる方もいるのではないでしょうか。

 

しかし、この考えの根底には、人事評価 → 人に対する評価(人を評価するモノ)
→ 人は人を正しく評価できない → だから人事評価はすべきでない

との考えがあります。しかし、この考え方は間違っています!

 

人事評価は「人」を評価するものではなく、対象はあくまでも「仕事」です。

「人」を評価しようとすると、性格・育った環境・学歴・能力・宗教観など評価者の価値観により大きなブレが生じます。

 

また、本人が改善しようにも改善することも出来ない問題も多く評価対象としては不適切であることが分かります。

 

そのため、人事評価の範囲は「仕事」に関することに限定されます。

人事考課の評価プロセスについて

人事考課では、通常、一定期間スタッフの評価を行い、給与や賞与の算定または、昇進・昇格の判断基準とします。

 

人事考課は、主に次の3つの視点から制度設計されることが多いです。

 

1.情意(態度)評価
・・・仕事に取り組む姿勢に対する評価。(評価基準・項目は各社の価値基準による)

 

2.成績(業績)評価
・・・一定期間の成果・成績に対する評価。(評価基準は役職や年次により異なる)

 

3.能力(職能)評価
・・・評価時点での能力に対する評価。(等級・役職毎に能力要件は異なる)

 

実際の運用の際にはこの3つの視点から更に項目を分けてブレークダウンさせて行きます。

 

例えば、先ほどの3つの視点から

1.情意(態度)評価…協調性・あいさつ・責任・経営理念
2.成績(業績)評価…売上・棟数・工期・クレーム
3.能力(職能)評価…資格・判断力・実行力・部下指導力

この項目を基に5段階評価などを行います。項目を細かく設定する目的は、「人事考課の標準化」であると言えます。

 

簡単に言いますと、人事考課の方法や判断基準を誰がやっても誰が見ても分かるような形にするということです。それが、「人事考課の標準化」ということになります。

 

「スタッフの評価をしましょう」では評価者は何を見たら良いのか分かりません。
また「情意・成績・能力別に評価をしましょう」では評価者により評価箇所にズレが出ます。

 

その為、出来るだけ、評価項目を細かく設定し、誰が評価しても同じように評価できるように評価すべきポイントを決めておく必要があるのです。

 

そのために大切なのは、この3つの項目をより自社が求める内容・行動・数値に落とし込むことで、適切な評価を行う事ができます。

 

成果の評価でも、「大変良い」「良い」「普通」「悪い」「非常に悪い」など抽象的な5段階評価などでは自社にあった適切な評価をブレなく誰もが行う事は難しいです。

 

しかし、「大変良い」は粗利○○万円以上、新規受注○○棟以上、「普通」は粗利□□万円以上△△万円以下、新規受注■■棟以上▽▽棟以下などの様に、誰もが分かる明確な数値や文字にすることで、誰でも正しく評価が行えます。

人事評価で陥りやすいポイント

ただし、ここで、多くの工務店様が陥り易い間違いが3点あります。

 

1点目は、評価項目が他社のマネ事や一般的な項目になっている。
2点目は、評価項目が全社員共通のものとなっている。
3点目は、評価1~5のような単純な数字に置き換えた評価にしている。

 

1点目は、評価項目が自社の価値観や評価すべき項目として相応しいものとなっていないという事です。

 

業種も業界も地域特性も価値観も違う会社の評価基準をマネしても本当に納得のいく評価は出来ません。

先もお伝えさせていただいた通り、ここには自社の経営理念や価値観を交え設定しなくてはなりません

 

2点目は、新入社員から幹部社員まで、または営業から工務まで同じ基準で評価することは出来ないという事です。

仕事上で求めるものが違う様に評価基準も異なるものを設定しなくてはなりません。

 

3点目は、数字だけでは評価者ごとに判断のブレが大きくなるという事です。

数値に落とし込むのが大切な一方で、このポイントはやや逆説的かもしれません。

 

もちろん、テストの点の様に90点~100点は評価5、75点~89点は評価4などの様に明確に数値化できるものであればいいですが、評価においては、単純に数値化できるもの多くない可能性があります。

 

そのため、場合によっては、評価項目ごとに求める内容を文字化し設定しなければなりません。

 

例えば評価項目に「挨拶」という項目があったとします。

 

この時に、評価1を「挨拶をしても返さない」、評価2を「自分から挨拶をすることは無いが、挨拶されれば返していた」、評価3を「いつも誰に対しても自分から挨拶をしていた」と言う様に評価の基準を文字化することで、誰が評価をしても評価のブレを小さくすることができます。

 

既に人事考課(評価制度)を導入済みの工務店様は自社の制度の見直しの際に、これから導入をご検討の工務店様は今後の導入の際に、以上の3点に注意した上で制度設計をして頂きたいと思います。

 

また人事考課(評価制度)導入の際には、他社のマネ事や既製品として世の中に出回っている制度や項目ではなく、自社の価値観や目的、方向性をしっかりと持った上で自社オリジナルの制度の設計・導入されることをお勧めします