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「固定残業」「ブラック求人」…知っておきたい採用時の明示項目のルール変更概要とその影響について

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2019.09.30

こんにちは!ポケット人事編集部です。

 

皆さんの会社でも採用活動(新卒採用・中途採用 etc..)を行っていると思いますが、

採用時の明記項目に関する法律が改正されたことにお気づきになっている方多いのではないでしょうか?

 

大手採用媒体の求人広告に掲載をされている工務店様であれば、求人の記載項目の制限や条件が厳しくなったことを肌で感じていると思います。

 

これは、世の中の強い関心事でもある「長時間労働」「未払い残業代」を抑制するために、「雇用促進法」が改正されたことによる影響です。

 

求人広告を出す際には今まで以上に細かく、より正確に労働条件や賃金などを明確に表示しなさい。
ということになりました。

 

今回はそのルールに関する一部概要とその影響や考え方について、少し詳しく見ていこうと思います。

 

固定残業代制度についての明示ルール

 

固定残業代制度を取っている工務店様も多いと思いますが、この法改正で固定残業を給与に含んでいる場合には以下の3点を事前に明示しておくことが必要となりました。

 

①固定残業代の金額
②その金額に充当する労働時間数
③固定残業代を超える労働を行った場合は超過時間分を追加支給する旨

 

(例)
給与/月給250,000円以上 ※固定残業代(40,000円、20時間相当分)含む。20時間超過分は別途全額支給。

 

ここで、注意していただきたい点が2つあります。

 

① 給与額に関わらず全員一律の手当額を付与すること

例えば自社としては、営業手当20,000円は40時間相当分の残業手当である。と考え明示していたとしても、それが法律の規定する基準を満たない場合は追加の残業代支払いを命じられます。

 

特に営業手当、現場手当など職種・職務に対する手当を残業代として意味付けしている工務店様は要注意です。

 

なぜなら、給与が20万円の人、25万円の人、30万円の人、40万円の人が同じ職種という理由で手当額(固定残業の意味合い)が一緒では残業代としての意味合いがなされなくなってしまうからです。

 

② 基準となる労働時間をしっかり明記すること

残業代は、残業単価×残業時間数で求めますが、実は基準労働時間が明確でないと正しい残業単価を計算することができません。

 

月給250,000円は月何時間の労働に対する対価なのか?

 

この時間もこれまではそれほど意識しなくても問題は無かったかもしれませんが、これからの時代、より良い人材を確保しようと考えるなら最低限の社内制度としてこれくらいは整えておく必要が出てきます。

 

また、入社後の労使トラブルを未然に防ぐためにも、まだ取り組めていない工務店様は早急に構築することをお勧めします。

ブラック求人に関する罰則が強化

 

また、これまでは採用時のポイントと採用時の明示項目のルール変更についてお話ししてきましたが、「ブラック求人」と世間で呼ばれているものに対する罰則についてもお話していきます。

 

採用時には、給与額(基本給、みなし残業手当、その他手当)とその割合や時間、金額を明確にしないといけないという求人ルールはご理解いただいたと思いますが、このルールを守らずに実際とは異なる虚偽の賃金や待遇を明示し、求人活動を行っている企業に対する罰則を強化する方針が厚生労働省で了承されました。

 

ちなみに、現在の職業安定法でも、求人広告(WEB媒体・紙媒体)で虚偽の求人をした企業や担当者に対しては、懲役6カ月以下または罰金30万円以下の罰則があります。

 

知らずに、求人広告の内容と異なる条件(不利益な条件)で採用活動を行っている工務店様は重い罰則があることを頭に入れておいてください。

 

今回の改正では、法の抜け穴となっていた、ハローワークや民間の職業紹介会社を通じた求人についても罰則の対象が広がります。

 

これまで、虚偽の条件の仕事を斡旋した紹介会社への罰則はありましたが、求人を出した企業に対する罰則自体はなかった為、これを改め、求人を出した企業そのものも罰則の対象となります。

 

また、求人活動においては、違法な長時間労働の常態化、セクハラ・パワハラの放置がされ、社名が公表された企業の求人申し込みをハローワークが拒否できる仕組みも強化する方針です。

 

新卒者に対する求人では現在も拒否できる仕組みはありますが、今後は全ての求職者を守るため、今後は中途採用求人にも対象が広がっていく見通しです。

 

こういった世の中の動きは、多くの工務店様でも求人活動の際に頭を抱える問題が一つ増えることになると思います。

 

法律通りに求人を出せば、大手に人を採られてしまい人が集まらない。

かと言って、今までの給与体系で残業代を全額払っていたら会社が潰れてしまう。

 

この点は、「RISK TAKE」の問題として、経営者の経営判断が非常に重要なテーマとなります。

 

・一人でも良い人材に来てもらいたいから、多少のお化粧をして良い条件の求人を出す
・条件提示後、入社後のRISKに備えて、最低限度の条件で求人をだし、それでも良いという方を待つ

 

上記のようにどのように求人を出すかのは一昔前まではある程度行われていたことではありますが、今は非常に難しいところです。

 

勘違いして頂きたくないのは、法律を守ることは大前提です!
ブラック求人と呼ばれるような悪質なことを続けていては永続した企業運営は出来ません。

 

ただし、現状出来ること、出来ないことのバランスを考えた上で、採用戦略を確立していきましょう!
ぜひ参考にしてみてくださいね。