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Amazonに学ぶ!自社で「本当にほしい人材」を採用するために、担当者の役目とそのポイント

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2020.02.17

こんにちは!ポケット人事編集部です。

 

中小企業の採用担当者は本来の業務と掛け持ちで、採用活動を掛け持ちで担当なさる方がほとんどかと思います。

応募者への応対、貴重な人材の退職など、数々のお悩みに日々葛藤していらっしゃるのではないでしょうか。

 

特に、中途採用の選考において「業界経験の豊富な人材」「即戦力になる人材」「マネジメントを任せられる人材」などといった、見えにくい基準で選考しようとするケース、またベテランの採用担当者でも、自分なりに自社理解した上での感覚にこだわり、応募者の見極めに困っているというケースをよく耳にします。

これらの課題を乗り越えて採用活動を行うことは、会社全体の成長を促進するために極めて重要です。

今回は言わずと知れた世界的なリーディングカンパニーに成長を遂げたAmazonを事例に、どのような採用活動を行っているのか、その手順と“面接官“として担当者の果たすべき役目について、実例を交えてお伝えします。

人事部ではなく、直属の上司となる人間が部下を採用

まず、Amazonでは採用人数は部署ごとに予算審議を経て決まり、割り当て人数以上の採用をすることは余程の理由がない限り許されません。

Amazonでは採用ポジションの上司を、「ハイアリング・マネージャー」という名の採用責任者と呼び、自分で直属の部下となる人材を採用していくことになります。

つまりは、人事部あるいは担当窓口が一括して担うのではなく、実際の仕事内容を熟知している直属上司が、応募者の経験値やスキルを吟味して人材を選考するように仕組み化されているのです。

 

「ハイアリング・マネージャー」は、まず自社が求める人材についての条件をまとめた「ジョブ・ディスクリプション(募集要項)」を人事部に提出。

人事部から各求人募集サイトに募集情報が発信されます。応募が集まり、書類選考、一次面接など、その後のスクリーニング(選別)過程は全て人事部ではなく「ハイアリング・マネージャー」が進めていくことになります。

選考面接にあたる担当者を決めるのも「ハイアリング・マネージャー」の大切な役目です。

面接水準を高く維持するスペシャリストを任命

担当する“面接官”は誰でもいいというわけではありません。

最終面接には必ず「バーレイザー」と呼ばれる独自の社内資格をもつスペシャリストを含めなければならない決まりがあります。

「バーレイザー」とは、Amazonが採用の「バー(基準)」を常に「レイズアップ(上げる)」し、面接水準を高く維持するための管理人の役割を担っています

 

「バーレイザー」はまず半日のトレーニングプログラムを受けます。さらに、他の面接官の面接に同席し、逆に自身の面接も他の面接官に同席してもらうことを徹底します。

また、相当数の面接を経験し、自社が求める採用基準を満たしているか否かを正しく判断できると認められたら再び「バーレイザー」になるためのトレーニングを受けることができます。その後も面接応対の経験を重ね、委員会で承認されて初めて「バーレイザー」になることができるのです。

ほかの面接官が的を射ない話をしていれば必ず指摘を入れ、面接官の質を上げていくことも「バーレイザー」の役割です。

前述の「ハイアリング・マネージャー」は自分に関わる部署ではなく、全く違う部署に所属する「バーレイザー」に面接を依頼しなければならない規約も存在します。

 

このように採用に人員を割き、時間をかけて選考を行うのは、「ビジネスを動かすのは人であり、人間の資質やスキル、経験値が企業にとっては重要」と考えるAmazon創業者であるジェフ・ベゾスの理念が反映されているからです。

「ずば抜けて優れた人材なしに、業績を上げることは不可能だ」という考えに沿って、ベゾス氏が自ら設定した人材採用基準がAmazonには存在します。

 

従業員の規範かつ採用基準そのものとなる「リーダーシップ・プリンシパル」

それは「リーダーシップ・プリンシパル」と呼ばれるAmazonの従業員の規範となる原則14項目です。

これは「バーレイザー」を含めた面接官が見極める際の基準となり、選考時の明確なチェック項目として機能します。応募者のスキルの優劣以上に、「リーダーシップ・プリンシパル」という明確な採用基準で自社の価値観と合うかを重視します。

応募者の考え方を深掘りし、採用の基準と照らします。スキルは入社後でも鍛えられますが、価値観や考え方はその人の生き方に起因しているため、多くの部分は後から変えることが難しいだろうと想定して設けているのです。

自社における退職者・問題児に「価値観」とのずれを感じて困ったご経験、皆さんにもおありではないでしょうか。

面接官は今、という定点、また必要スキルの合致という短期的な視点よりも、組織を成長させていくために長期的な活躍が見込めるかを重視します

 

面接時の問いかけ「なぜ?」で徹底的な深堀りを

「リーダーシップ・プリンシパル」の一つ、Dive Deep(より深く掘り下げること)を例に挙げます。

応募者が、役職が上がるほどに一体「どこまでお客様のニーズの本質を掴めるか」「何かを決断する際、その先にあるビジネスインパクトをどこまで想定できるか」といった掘り下げた視点をもてる人材かどうかを、面接で評価します。

また、それを確認する面接官自身の質問態度としても「Dive Deep」を徹底し、応募者の答えに対して「なぜ?」を繰り返すことで彼らの考え方を把握していくのがポイントです。

就職活動向けに作られた面接、台本のある、練習を繰り返した受け答え。こうして整った内容やいわゆる盛った話に対して、面接を通じてデコレーションを剥ぎ取った応募者の本質を見極められるかが、面接官にかかっています。

Amazonの成功から自社においてできること

Amazonの面接ではパフォーマンスを出すためのバー(基準)に精通した現場の人間が「リーダーシップ・プリンシプル」と呼ばれる高い「採用基準」を貫く選考を実施します。

「バーレイザー」と呼ばれるスペシャリストが面接をリードすることで、採用のクオリティを維持しているのです。ただし、採用全体を取りまとめるのは、採用対象者の未来の上司となる「ハイアリング・マネージャー」です。

世界最大のオンラインショップの成長を支えているのは、「リーダーシップ・プリンシパル」に基づいてビジネスを動かす「人」です。

担当者は採用・選考に懸ける戦略を考えて、「人」を厳選しているのです。それぞれの仕事と並行して何本もの面接応対を行いますが、特別な手当や報酬があるわけでもなく、会社の成長のために責務を果たす採用兼任にすぎません。採用担当者として自社のために高い資質と覚悟を持って臨んでいるのです。

 

今回取り上げたAmazonにおける採用基準、そして手順からヒントを得られる部分もあるはずです。

自社の独自価値を明らかにした上で、採用基準を適切に設定すること、「ハイアリング・マネージャー」のように、配属部署の上長となる人が採用活動の初期段階から関わりを持ち、合理的に採用活動を進めること

「バーレイザー」のように、会社の価値観を掘り下げて解したキーマンを育てること、そして憶測やイメージで採用判断を下さないこと。
自社に合ったやり方にアレンジを加えたり、基本方針として参考にしたりする、といった形で役立てることができるのではないでしょうか。