みなさん、こんにちはポケット人事編集部です!
今回は新卒採用活動をされている工務店さまならほとんどご存知かと思われますが…自社の押しポイントの見つけ方や欲しい学生ーいわゆる求める人物像の設定方法についてお伝えしていきます!
新卒の採用活動って、難しいですよね。
説明会から面接をして内定を出して…でもなかなか自社の魅力をアピールできなかったり、自分たちが欲しい学生と出会えなかったり、面接する方によって合格する学生のタイプが全然違ったり…。
複数人で行うほど労力のかかる採用活動だからこそ、しっかりと考えなければならないポイントが多く存在します!
そして今回はその中でも非常に大切になる「自社の魅力づけ方法」と「求める人物像設定方法」の2つを一気にご紹介します。
非常に大切なので、こちらを設定するだけでも採用活動に一貫性が生まれ、より採用活動をしやすくなりますよ。
はじめて採用活動をする工務店さまは、ぜひ最初にこの2つを考えてみてくださいね。
自社の武器は、〈発見・選択・設計〉のプロセスを!
「休日が多い」「売り上げが業界No.1」「素晴らしい研修制度が整っている」…等、なんらかの形で自分たちの魅力を発信しますよね?
それによって、学生さんが工務店さまへエントリーし、新入社員として入社してくれることは、いうまでもありません。
また、これも当たり前のことですが武器となる強みは魅力的であればあるほど学生のエントリーに繋がります。しかし、ただ多くの惹きつけがあれば良いということなのでしょうか?
武器は「学生にとって魅力に思えること」「自分たちで押して行きたいこと」といった単純な決めつけでアプローチするのはおすすめしません。
自社の魅力は戦略的に活用するのが良いでしょう。
ここでいう戦略とは、ただ単なる自分たちの魅力ではなく、「だれに向かってアピールしたいものなのか」によって使い分けるものになります。
今回は、少しユニークな採用成功例を交えてお話をさせていただきます。
自社の魅力は…まさかの「山形県にあること」!
A社は山形県でも過疎地に位置する、社員15名ほどの工務店です。
地元に根づいた家づくりが功を奏し順調に売上が伸びていましたが、過疎地ゆえ求職者からの応募を集められず、人材不足に悩まされていたのです。
結論から申し上げると、A社における採用活動の大きな武器は、『山形県内にあること』でした。
東北地方の場合大学の母数が少ないため、受験結果や志望学部によって、他県に進学した山形県出身の学生が多数いました。
ところが就職と同時に地元の山形県へ戻りたい学生が多くいるにも関わらず、Uターンを募る求人票は首都圏や仙台に集中していたため、仙台以外の大学への求人票はあまり送付されていないのが現状でした。
この点に着目し、東北各県へ求人票を送付するという戦略において、A社の持つ『山形県勤務』の看板は、Uターンを希望する学生のエントリーに繋がりました。
地元志向の応募者が多いため、選考や内定辞退もぐっと少なくなり、その年は秋田県の大学に通う設計志望の学生を採用することに成功しています。
A社に学ぶ〈発見・選択・設計〉のプロセス
企業の武器は、経営者自身で精査するだけでなく、お施主様や社員へ聞いたり、自社を全く知らない第三者と話をしたりすることによって発見できます。
まずはこうして自社の魅力をより多く見つけることが大切です。
ところがその中からいくつかの強みを天秤にかけて、学生を最も惹きつけられるような強みを抽出した上で「業界トップシェア」「年間休日120日以上」といった機能的価値や、「成長できる環境がある」「人が良い」といった感情的価値を使って学生を惹きつけようとするのは、多くの企業でありがちなパターンです。
こういった方法ではなく、自社の置かれた状況や求める人物像(こちらは後述します)に合わせた設計が大切です。
つまり事例で見たA社のように、一見単純な武器(山形県内の企業)に思えても、戦略(ライバルの少ない都市部以外の大学に求人票を出す)と絡めることで、一歩先の効果を発揮できます。
このように、
武器を定める上で大切なことは自社の武器を洗い出す〈発見〉
何を武器にするかという〈選択〉
どのように広めるかという戦略を示す〈設計〉
ことがとても大切なんです。
魅力がない工務店さまなんてひとつもない
また、よくいろんな会社さんにお伺いしていると、「うちなんて、いいとこないから」なんて自虐的な工務店さまも見かけます。
当社はこれまで数百社にわたる中小企業さまとお会いしておりますが…魅力がひとつもない会社さんなんて絶対にありません。
もしも魅力がなければ、みなさんのお客様はみなさんを選んでくれていません。
それに、みなさんの社員さんも会社を選んでくれていないんですから。
求める人物像はどうやって設定する?
さて、ちょっと「こんな人がうちに来てくれたらな」という工務店さまの求める人物像を頭に思い浮かべてみてください。
たとえば、どの工務店でも設定しているような『明るい』『コミュニケーション能力がある』といった人物像をあげている場合、ぜひこちらを最後まで読み進め、今一度見直しをしてみてください。
こちらを読んでいただいているみなさんは、もちろん100名以下の中小工務店さまですよね?
当然…大企業のように数人の採用枠に数百人が駆け込むような採用活動は…行なっていませんよね。
(もし行なっていたら、うちに話を聞かせてくださいね。笑)
つまり、ひどい言い方をするようで申し訳ないですが、工務店さまは限られた選考希望者(施工管理なんて…特に新卒でも取れないですよね)の中から採用活動をしなければなりません!
そんな採用活動では、求める人物像は《MUST(=なければスタート地点に立てない)》と《WANT(=あるとプラスとなる)》に分けた上で、《MUST》項目を優先して選考する必要があります。
もちろん、《WANT》項目を持つ学生を採用できるのが一番ですが。。。母集団が少なかったりもするので。。。
そのため、たとえば明るさやコミュニケーション能力がどの工務店様にもプラスになることは間違いないでしょうが、しかし、それが《WANT》項目に留まるのか、絶対条件の《MUST》項目かは明確に振り分けを行う必要があります。
《MUST》と《WANT》の見極め方
では、どうやって?というと、下記のようなかたちで見極めるのが良いかと思われます。
・御社で活躍している社員を選定し、共通点を探す。【御社の仕事にあたり必須要素である可能性が高い】
・社員のキャリアプランを想像する。【将来身につけても間に合うものは《WANT》項目でも良い】
また、求める人物像はワンパターンでなく、営業・設計・工務といった募集職種、御社の現状と合わせて考える必要があるかもしれません。
先に説明をしたように、細かく設定しすぎると必要以上に学生を絞り込んでしまうデメリットがあることも考慮した上で、それぞれの職種により異なる求める人物像を設定してみてください。
会社によって《MUST》は全然違う
数年前からご支援をさせていただいている、ある工務店の求める人物像《MUST》項目には、
・社員全体で大切にしている『理念に共感している方』
・業務の幅が広いことから『色々なことに興味を持てる方』
を全職種に対して設定した上で、設計職では特別に『柔軟性』をあげています。
その背景には、中途採用で雇った設計職歴の長いベテランの方々が技術面をしっかりと支えている一方、職人気質な方が多いため、他職種の方やお客様とのコミュニケーションが不十分になっているという現状がありました。
そのため、作業効率や器用さよりも他社員やお客様との架け橋となれる人材が必要だったのです。
この会社のように、準備段階において基準を明確にしておくことで、求める人物像に合わせた説明会での惹きつけや選考での設問の用意を行うことができます。
また、見るポイントが明確になり基準がブレずらくなります。
《まとめ》よりよい採用活動の一歩を踏み出しましょう!
いかがでしたか?
今回は新卒における採用活動の第一歩となる「自社の魅力づけ方法」と「求める人物像設定方法」の2つをまとめてご紹介いたしました。
新卒の採用活動というと少しハードルが高いかもしれませんが、新卒の社員さんはどの会社にも入社しないまっさらなままでやってくるので、素直で良いですよ!
将来的には工務店さまの戦力になること間違いなしです!
そのためにも、しっかりと戦略的な採用設計をしてみたいものですね。