本質的な企業成長に欠かせない「理念」、浸透させる上で大切にしたい“解釈”と研修方法について

こんにちは!ポケット人事編集部です。

先日、ある5年以上お付き合いをさせていただいている工務店の社員の方とお話をする中で、「シンミドウさんの理念共有研修って社員育成に絶対必要ですね!」と言って頂く機会がありました。

 

その方は新卒の頃から研修を行なっており、今は工務店の核となる人材として活躍していらっしゃる方だったので、嬉しかったですね。

 

また、普段から「人事制度構築でも研修でも、企業理念・人事理念が重要ですよ!」とはお客様に話していましたが、お客様に改めて言って頂けるとさらに嬉しいものです。

 

特に今回のケースでは経営層の方ではなく、一般の社員の方に理念の重要性を感じて頂けたので、感慨深いものでした。

経営理念は重要と知っている経営者は多いけれど、浸透しにくい理由とは?

嬉しいことを言ってくださったその工務店様では、数年前に経営理念の抜本的な見直しを行っていました。

それに合わせて、理念やそれに付随する様々な考え方が記載されたオリジナルの手帳も作成し、全社員に配り、理念唱和も朝礼や会議の場で行うなどの工夫もしてきました。

 

しかし、そんな試みをはじめて数年がたった今でも、社員の多くは会社の考え方、価値観、方向性を理解できないでいるというのが現状でした。

 

同じようなことが起こっている工務店様も実は多いのではないでしょうか?

経営理念をしっかりと創り、文字にもして、更に唱和までしているのに…
なぜこのような事が起こってしまったのか?

 

ポイントは「理念を全員が同じ解釈で説明できるか?」

 

よくよく社員へ話を聞いてみると、文字にはなっており、文字ベースとしては誰もが理解できている理念も、その解釈については全員がバラバラであるということが分かりました。

 

たとえば、「お客様第一」「相手思い」「良いチームワーク」等はよく使われる表現ですが、どのような行動・振る舞いが「お客様第一」であり、「お客様思い」であり、「良いチームワーク」なのかは、微妙に差異があるものです。

 

当社シンミドウでも理念である「シンミ」を非常に大切にしているのですが、シンミの解釈や意味については、会議で議論になるたびに繰り返し定義を確認されます。
「それって、シンミか?」というように。

 

経営理念は文字として掲げるだけでは意味がありません。
全員が考えを理解して大切にできるよう、解釈を統一するのが大切です。

 

特に一般の社員の方が混乱し、理解できていない大きな理由としては、役員や役職者の間でその解釈、言っている内容がバラバラだと

いう点です。

 

例えば、「私達は仲間が公私共に充実した生活を送れるよう支え合う」という経営理念に対して、A部長は「監督署もうるさいし、社員さんは定時で帰れるようにね。下請けさんに任せられるところは任せてね」と言い。
B部長は「下請けさんに任せちゃったら下請けさんは業務過多で厳しいんじゃないかな?仲間の範囲ってどこまでで考えたら良いのかな?」と言っているような状態です。

 

採用での視点で考えると、「グローバル経営に向けて現地登用の幹部社員を育成する」という人事理念に対して、C部長は「今年の留学生採用はどうなっている?留学生をどんどん採用しないと現地に送り込めないだろう!」と言い。
一方で、D部長は「これって現地の責任者が採用活動を各々するってことで良いんだよね?」という具合ですね。

 

同じ文字を読んでも、これだけのズレが出ていました。

 

この工務店様で理念浸透の見直しを行なった際には、上記の様に本来は理念や想いを部下に浸透させなくてはならない立場の方たちでさえこのズレっぷりだったわけです。

 

そこで、このズレを修正し、もう一度全員で一致団結し同じベクトルで会社の舵を切れるように行った研修が「理念共有研修」です。

理念共有研修で想いのズレを修正しよう

「理念共有研修」は名称こそ研修と付いていますが、研修というほどきまじめではありません。
簡単に内容を説明すると

 

・企業はどのようにして生まれたのか?
・創業時はどんな苦労があり現在の文化が生まれたのか?
・どのような過程を経て今の会社が成り立っているのか?
・今後、どのような会社にしていきたいのか?
・社員にはどんな成長をしてもらいたいのか?

といったことを全社員(協力業者さんを含める場合もあります)にお伝えし会社の再出発を図るイベントのようなものです。

 

社内には古参社員から中途社員、新卒社員と様々な経歴の社員さんがいらっしゃいますが、会社(代表者)の考え方に対する理解はそれぞれです。

 

しかし、それは誰が悪い訳でもなく至って自然なことです。全員が同じ情報をもっている訳ではないのですから。
ただし、今後、会社運営を全社員同じベクトルで進め、成長を加速させていくためには理念共有は必須項目になってきます。

 

既に何名かの社員には共有されている工務店様も、「恥ずかしいし別に良いよ」くらいで今まで起業の想いや創業時の苦労話などをされてこなかった工務店様も、ぜひ検討してみてください。

「理念共有研修」というものを良い機会に、会社を、社員を次のステージに進める為の再出発を図る機会として行ってみてはいかがでしょうか?

是非、経営TOP自ら積極的に企画される事をお勧めいたします!

評価は“ヒト”ではなく“仕事”を評価する!判断軸は〈経営理念 経営ビジョン 経営戦略〉で強い組織づくりへ!

こんにちは!ポケット人事編集部です。

 

今回は給与制度を運用していく上でキーポイントになる人事考課(評価制度)についてお話をさせて頂こうと考えております。

 

人事考課(評価制度)と聞くとどんな印象をお持ちでしょうか?

もしかしたら堅苦しく、小難しい印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 

人事考課とはどんなものかを簡単に説明すると、スタッフの評価の仕組みと評価の方法をルール化するということだからです。

 

仕組みという意味では少々複雑に思えるかもしれませんが、ルールの作り方やプロセスがわかればしっかりと導入することが出来ます。実際にはそんなに難しく考える必要はありません。

人事評価は“ヒト”ではなく“仕事”を正しく評価する

本題に入る前に、人事評価の本質についてまずはお話させていただかなければなりません。

 

人事制度を導入している、いないに関わらず、従業員を雇っている以上は日常的に個々の社員さんの評価というものを行っていると思います。

(これは、意識的に行っている場合もあれば、無意識的に行っている場合もあります。)

 

しかし、人事制度の中で人事評価(評価のシクミ)を行いましょう。となった時に、多くの企業様で出てくるセリフとしていくつか共通するものがあります。

 

・会社には評価できるような人材がいない
・会社では社員を評価するのはまだ早い
・評価を行うべき管理者がそもそも器じゃない

 

このような内容を見て自社でも同じだな。と感じられる方もいるのではないでしょうか。

 

しかし、この考えの根底には、人事評価 → 人に対する評価(人を評価するモノ)
→ 人は人を正しく評価できない → だから人事評価はすべきでない

との考えがあります。しかし、この考え方は間違っています!

 

人事評価は「人」を評価するものではなく、対象はあくまでも「仕事」です。

「人」を評価しようとすると、性格・育った環境・学歴・能力・宗教観など評価者の価値観により大きなブレが生じます。

 

また、本人が改善しようにも改善することも出来ない問題も多く評価対象としては不適切であることが分かります。

 

そのため、人事評価の範囲は「仕事」に関することに限定されます。

人事考課の評価プロセスについて

人事考課では、通常、一定期間スタッフの評価を行い、給与や賞与の算定または、昇進・昇格の判断基準とします。

 

人事考課は、主に次の3つの視点から制度設計されることが多いです。

 

1.情意(態度)評価
・・・仕事に取り組む姿勢に対する評価。(評価基準・項目は各社の価値基準による)

 

2.成績(業績)評価
・・・一定期間の成果・成績に対する評価。(評価基準は役職や年次により異なる)

 

3.能力(職能)評価
・・・評価時点での能力に対する評価。(等級・役職毎に能力要件は異なる)

 

実際の運用の際にはこの3つの視点から更に項目を分けてブレークダウンさせて行きます。

 

例えば、先ほどの3つの視点から

1.情意(態度)評価…協調性・あいさつ・責任・経営理念
2.成績(業績)評価…売上・棟数・工期・クレーム
3.能力(職能)評価…資格・判断力・実行力・部下指導力

この項目を基に5段階評価などを行います。項目を細かく設定する目的は、「人事考課の標準化」であると言えます。

 

簡単に言いますと、人事考課の方法や判断基準を誰がやっても誰が見ても分かるような形にするということです。それが、「人事考課の標準化」ということになります。

 

「スタッフの評価をしましょう」では評価者は何を見たら良いのか分かりません。
また「情意・成績・能力別に評価をしましょう」では評価者により評価箇所にズレが出ます。

 

その為、出来るだけ、評価項目を細かく設定し、誰が評価しても同じように評価できるように評価すべきポイントを決めておく必要があるのです。

 

そのために大切なのは、この3つの項目をより自社が求める内容・行動・数値に落とし込むことで、適切な評価を行う事ができます。

 

成果の評価でも、「大変良い」「良い」「普通」「悪い」「非常に悪い」など抽象的な5段階評価などでは自社にあった適切な評価をブレなく誰もが行う事は難しいです。

 

しかし、「大変良い」は粗利○○万円以上、新規受注○○棟以上、「普通」は粗利□□万円以上△△万円以下、新規受注■■棟以上▽▽棟以下などの様に、誰もが分かる明確な数値や文字にすることで、誰でも正しく評価が行えます。

人事評価で陥りやすいポイント

ただし、ここで、多くの工務店様が陥り易い間違いが3点あります。

 

1点目は、評価項目が他社のマネ事や一般的な項目になっている。
2点目は、評価項目が全社員共通のものとなっている。
3点目は、評価1~5のような単純な数字に置き換えた評価にしている。

 

1点目は、評価項目が自社の価値観や評価すべき項目として相応しいものとなっていないという事です。

 

業種も業界も地域特性も価値観も違う会社の評価基準をマネしても本当に納得のいく評価は出来ません。

先もお伝えさせていただいた通り、ここには自社の経営理念や価値観を交え設定しなくてはなりません

 

2点目は、新入社員から幹部社員まで、または営業から工務まで同じ基準で評価することは出来ないという事です。

仕事上で求めるものが違う様に評価基準も異なるものを設定しなくてはなりません。

 

3点目は、数字だけでは評価者ごとに判断のブレが大きくなるという事です。

数値に落とし込むのが大切な一方で、このポイントはやや逆説的かもしれません。

 

もちろん、テストの点の様に90点~100点は評価5、75点~89点は評価4などの様に明確に数値化できるものであればいいですが、評価においては、単純に数値化できるもの多くない可能性があります。

 

そのため、場合によっては、評価項目ごとに求める内容を文字化し設定しなければなりません。

 

例えば評価項目に「挨拶」という項目があったとします。

 

この時に、評価1を「挨拶をしても返さない」、評価2を「自分から挨拶をすることは無いが、挨拶されれば返していた」、評価3を「いつも誰に対しても自分から挨拶をしていた」と言う様に評価の基準を文字化することで、誰が評価をしても評価のブレを小さくすることができます。

 

既に人事考課(評価制度)を導入済みの工務店様は自社の制度の見直しの際に、これから導入をご検討の工務店様は今後の導入の際に、以上の3点に注意した上で制度設計をして頂きたいと思います。

 

また人事考課(評価制度)導入の際には、他社のマネ事や既製品として世の中に出回っている制度や項目ではなく、自社の価値観や目的、方向性をしっかりと持った上で自社オリジナルの制度の設計・導入されることをお勧めします